屋上防水の費用はいくらかかる?失敗しないための見積もりポイントとは
2025/05/21

建物の寿命を左右する大切な工事、それが「屋上防水工事」です。
屋上は、風雨や紫外線に常にさらされる過酷な環境。防水機能が劣化すれば、雨漏りや建物内部への浸水、さらには大規模な修繕が必要になるリスクも高まります。
とはいえ、防水工事は決して安い出費ではありません。「どれくらい費用がかかるのか」「適正価格なのか」と不安になる方も多いでしょう。
この記事では、屋上防水の費用相場から、見積もり時に失敗しないためのチェックポイントまで徹底解説します。適切な工事を、納得できる価格で依頼するために、ぜひ参考にしてください。
屋上防水工事とは?

屋上防水工事とは、建物の屋上に防水処理を施し、雨水の浸入を防ぐ工事のことを指します。
屋上部分は、建物の中でも特に過酷な環境にさらされています。
強い日差しによる紫外線、雨風、気温差などが日々繰り返し影響を与えるため、時間の経過とともに防水層は劣化していきます。
防水層が劣化すると、屋上の表面にひび割れや剥がれが生じ、雨水が建物内部に侵入するリスクが高まります。
雨水が内部に入り込むと、以下のような深刻な問題を引き起こす可能性があります。
・建物内部の鉄骨部分の腐食
・コンクリートの中性化による強度低下
・断熱材や内装材の劣化・腐敗
・カビやシロアリの発生
・電気設備への浸水による漏電事故
こうしたトラブルは、単なる補修だけでは済まなくなり、大規模な改修工事や建て替えが必要になるケースもあります。
屋上防水工事は、こうしたリスクを未然に防ぎ、建物の寿命を大きく延ばすために欠かせないメンテナンスなのです。
また、防水工事には見た目の美しさを維持する効果もあります。屋上は、近隣から見える位置にあることも多く、劣化していると建物全体の印象を悪くしてしまう場合も。適切な防水メンテナンスを行うことで、資産価値の維持にもつながります。
防水工事が必要になるタイミング

屋上防水工事には、定期的な施工とメンテナンスが重要です。
一般的な防水層の耐用年数は、工法や材料にもよりますが、10年〜20年程度とされています。
しかし、使用環境や施工精度によっては、それより早く劣化する場合もあります。
症状 | 説明 |
---|---|
防水層にひび割れや膨れ | 紫外線や温度差による収縮・膨張を繰り返す中で、防水層が硬化・劣化し、表面にひび割れや膨れが発生します。 |
屋上に水たまり | 防水層の劣化や、排水溝の詰まりによって水はけが悪くなると、水たまり(パラペット)ができやすくなります。常に水が滞留する状態は、防水層をさらに劣化させる悪循環を引き起こします。 |
室内の天井や壁にシミ | 屋上から浸入した雨水が、建物内部の天井や壁にシミを作ることがあります。一見小さなシミでも、内部では大きな損傷が進行しているケースもあるため、早急な対策が必要です。 |
雨天後の湿気臭 | 雨天後に室内で湿った臭いを感じる場合、屋上や壁内部に雨水が侵入し、カビや腐敗が進行している可能性があります。 |
劣化の初期症状は目に見えにくいことも
注意すべきなのは、「防水層の劣化は、初期段階では外から見えにくいことが多い」という点です。
小さなひび割れやピンホール(微細な穴)から、徐々に雨水が浸透して内部劣化が進んでしまうこともあります。
目に見える損傷が現れてからでは、修理費用も高額になりやすいため、定期的な点検と早めの対策が建物保護には不可欠です。
屋上防水を怠るリスクとは?
防水工事を後回しにすると、次のようなリスクを招く可能性があります。
大規模修繕コストの増加
小さな補修で済むはずだったものが、躯体補修や内装工事も必要になり、費用が数倍に膨れ上がることがあります。
建物の資産価値低下
外観の劣化や雨漏り被害は、物件価値の大幅な減少につながります。売却や賃貸時にも大きなマイナスポイントになります。
安全性の低下
構造体の腐食が進むと、建物全体の耐久性や耐震性に影響を与えることも。人命に関わる重大事故に至るリスクもあります。
こうした事態を防ぐためにも、屋上防水工事は「建物を守るための投資」として、計画的に実施することが重要です。
屋上防水工事の費用相場【防水工法別】

屋上防水工事の費用は、防水の方法によって大きく異なります。ここでは、代表的な防水工法ごとの相場を見ていきましょう。
防水工法 | 費用相場(㎡単価) | 特徴 |
---|---|---|
ウレタン防水 | 4,000〜8,000円 | 柔軟で複雑な形状にも対応しやすい |
シート防水(塩ビ・ゴム) | 4,000〜7,000円 | 工期が短く、耐久性も高い |
FRP防水 | 6,000〜10,000円 | 高い強度と耐久性。硬質で強靭な仕上がり |
アスファルト防水 | 5,000〜9,000円 | 大規模建物向き。高耐久だが重量がある |
屋上防水工事の費用相場【防水工法別】
屋上防水工事の費用は、防水工法の種類や施工面積、下地の状態によって大きく異なります。
ここでは、代表的な防水工法ごとの特徴とメリット・デメリットを詳しく解説しながら、費用感の目安についてもご紹介します。
ウレタン防水
概要 | 液状のウレタン樹脂を塗布して硬化させる防水工法。ローラーや刷毛、コテで施工。 |
特徴 | 凹凸や段差のある複雑な形状にも対応可能。 |
メリット | ・施工が簡単でコストが抑えめ ・複雑な形状の屋上にも施工しやすい |
デメリット | ・職人の技量で品質に差が出やすい ・10〜15年で再施工が必要 |
費用相場 | 5,000円〜7,500円/㎡ |
シート防水(塩ビシート・ゴムシート)
概要 | あらかじめ工場で製造された防水シートを屋上に貼り付ける工法。シートには、耐候性に優れた塩化ビニル製(塩ビシート)と、柔軟性が高いゴム製(ゴムシート)があります。 |
メリット | ・安定した施工品質(工場製品のため品質が安定、施工ミスが少ない) ・比較的安価で工期も短い(大規模な屋上にもスピーディに対応可能) |
デメリット | ・複雑な形状には不向き(段差や突起物が多い屋上では施工が難しい) ・シートの継ぎ目が弱点(劣化や剥がれによる雨漏りの可能性あり) |
費用相場 | 4,500円〜7,000円/㎡程度 |
FRP防水
概要 | ガラス繊維(繊維強化プラスチック)を樹脂で固めて強靭な防水層を形成する工法。船舶やプールなどの技術を応用。 |
メリット | ・高い強度と耐摩耗性(歩行や重量物に強い) ・美しい仕上がり(なめらかで光沢がある) |
デメリット | ・高コスト(材料費・施工費が高め) ・クラックのリスク(硬化時の収縮による) |
費用相場 | 6,500円〜10,000円/㎡程度 |
アスファルト防水
概要 | アスファルトを加熱・溶融して防水層を形成する、歴史ある伝統的な工法。トーチバーナーで加熱しながらシートを貼る「トーチ工法」や、積層して防水層をつくる「熱工法」などがある。 |
メリット | ・耐久性が高く、20年以上持つ場合も(適切な施工・メンテナンスで長寿命を維持) ・長期コストパフォーマンスに優れる(初期投資は高めだが、再施工の頻度が少ない) |
デメリット | ・工事時に臭いが出る(特に住宅密集地では要注意) ・重量負荷が大きい(構造診断が必要なケースも) |
費用相場 | 7,000円〜12,000円/㎡程度 |
これらの防水工法は、それぞれに特徴や適した用途があり、単純に「安いから」「耐久性が高いから」だけで選ぶのは危険です。
建物の構造、使用目的、将来のメンテナンス計画などを総合的に考慮し、最適な防水工法を選ぶことが、長期的な満足につながります。
防水工事の費用に影響する要素

防水工事の費用は、単に工法や施工面積だけで決まるものではありません。
実際にはさまざまな条件が絡み合い、同じ工法でも見積金額に大きな差が出ることもあります。
ここでは、防水工事の費用に影響を与える主な要素について、詳しく見ていきましょう。
屋上の広さ・形状
まず大きく影響するのが、施工対象となる屋上の面積と形状です。防水工事では、施工面積が広がるほど防水材の購入コストや施工手間が相対的に効率良くなるため、1㎡あたりの単価が割安になるスケールメリットが働きます。一方で、設備配管、パラペット(立ち上がり部分)、塔屋(屋上の小屋)などの凹凸や複雑な形状がある場合は、細かい施工が必要になり、手間と材料が増えるため費用も上がりやすくなります。つまり、屋上の形状は「平坦でシンプル」なほど、費用を抑えやすいと覚えておきましょう。
既存防水層の劣化状態
次に大きな要素となるのが、既存の防水層の状態です。既存の防水層が著しく劣化している場合や、下地(コンクリート面)に亀裂や欠損がある場合は、そのまま新しい防水層を施工することができません。そのため、事前に下地補修や既存防水層の撤去作業が必要となり、その分の工事費が追加で発生します。特に古い建物では、この補修費用が想定以上に高額になることもあります。防水工事を長持ちさせるためには、見えない下地の状態にもきちんと手を加えることが重要です。
使用する防水材の種類・グレード
防水工事に使用する材料の種類やグレードも、費用に直結する要素です。高品質・高耐久な材料を選ぶと価格は上がりますが、長期的な視点で見ると必ずしも高コストとは限りません。たとえば、一般的なウレタン防水と比べて、耐候性・耐摩耗性に優れた高耐久グレードの材料を選ぶと、1㎡あたりの材料単価が数千円単位で高くなります。しかし、耐用年数が10年から20年に伸びることで、再施工までのサイクルが長くなり、結果的に「トータルコスト」は抑えられる可能性があります。このため、初期費用だけでなく、ライフサイクルコスト(生涯コスト)で考える視点も大切です。業者に見積もりを依頼する際は、使用する防水材のメーカー名や品番、グレードを明記してもらうと安心です。
施工環境
施工を行う環境も、意外と費用に大きな影響を与えるポイントです。施工環境による費用への影響は主に3つあります。まず、10階以上の高層ビルなどでは、資材の搬入・搬出にクレーンや仮設足場が必要になり、コストが増加します。次に、狭い搬入路や作業スペースが少ない現場では、作業効率が悪くなり、人員の増員や工期延長が必要になるため、追加費用が発生します。さらに、住宅密集地やオフィス街では、臭気・騒音問題に対応するための特別な養生措置が必要になり、その分の費用も発生します。
現地調査の際には、こうした「施工環境」までしっかり確認してもらい、見積もりに反映させてもらいましょう。
地域差
最後に、意外と見落としがちなのが地域による価格差です。地域によって価格は大きく異なり、特に東京・大阪・名古屋などの大都市圏では、職人の人件費や運送費、材料費が地方に比べて高くなる傾向にあります。一方、地方都市では比較的リーズナブルな価格で工事が可能ですが、あまりに安すぎる場合は施工品質に問題がある可能性があるため、価格だけでなく、業者の実績や口コミもあわせて確認することが重要です。「水防人」のような防水専門ポータルサイトを活用すれば、地域ごとの適正価格を把握した上で、優良業者を見つけやすくなります。
このように、防水工事の費用は一見単純に見えて、実際には多くの要素が複雑に絡み合っています。
そのため、相見積もりをとる場合も、単純な金額比較だけではなく、「何が含まれていて、何が追加になる可能性があるのか」までしっかり確認することが、後悔しない工事のためには欠かせません。
見積もりを取る際に必ずチェックすべきポイント

防水工事は決して安い買い物ではありません。
後悔しないためには、見積もり段階でしっかりと内容を確認し、疑問点を解消しておくことが不可欠です。
ここでは、防水工事の見積もりを取る際に必ず押さえておきたいチェックポイントを詳しく解説します。
施工範囲と施工方法が明記されているか
まず最初に確認すべきは、「どの範囲を、どんな方法で施工するのか」が具体的に記載されているかどうかです。施工範囲については、屋上全体なのか部分補修なのか、また立ち上がり部分やドレン(排水口)周辺の処理は含まれているのかなど、範囲を明確にする必要があります。施工方法に関しては、「ウレタン防水2層仕上げ」「塩ビシート機械固定工法」など、具体的な工法が明記されているかをチェックしましょう。単に「防水工事一式」といった曖昧な表現のみの場合は、トラブルのもとになるため要注意です。
下地処理・撤去作業の内容が含まれているか
既存防水層の撤去や下地補修についても、見積もりに含まれているか必ず確認しましょう。下地補修では、クラック(ひび割れ)の補修やモルタルの不陸調整(表面の凹凸を直す作業)など、必要な作業内容と費用が明記されているかが重要です。また、既存防水層の撤去作業費用が別途になっていると、工事開始後に追加請求されるリスクがあります。なお、「現場調査の結果、追加作業が必要になる場合もあります」という注意書きがある見積もりの場合は、事前に追加費用の上限目安を聞いておくと安心です。
保証期間と保証内容が明記されているか
防水工事は施工後すぐに結果が出るものではなく、数年後に不具合が出るケースもあります。そのため、保証の有無と内容の明確化は非常に重要です。一般的な保証期間は、ウレタン防水やシート防水で5年〜10年、FRP防水やアスファルト防水では10年以上のケースもあります。保証内容については、雨漏りだけでなく、ひび割れや膨れなども対象になるのか、また地震や台風などの免責事項も含めて確認が必要です。これらの保証内容は、口頭説明だけでなく、契約書や保証書にきちんと記載してもらうことが大切です。
材料名・メーカー名が記載されているか
防水材にもピンからキリまであり、同じ「ウレタン防水」といっても、耐久性や性能には大きな差があります。そのため、見積もりには具体的な製品名(例えば「田島ルーフィング製のエバーコートZero-1」など)とメーカー名を明記してもらう必要があります。また、業者独自のオリジナルブランドの場合は品質管理が不明瞭なことがあるため、信頼できるメーカー品かどうかの確認が重要です。製品名が書かれていない見積もりには、「どこのメーカーの何という商品を使う予定か」必ず質問しましょう。
総額だけでなく「単価」を比較する
見積もりの総額だけで比較してしまうと、肝心な中身の違いに気づけないことがあります。まず、単価(1㎡あたりいくら)で比較することで、工事のコスト感を客観的に判断しやすくなります。また、単価が異常に安い場合は、材料を薄く塗る、必要な工程を省くなど、施工品質を下げてコストを抑えている可能性があるため注意が必要です。安すぎる見積もりには裏があると考え、総額だけでなく、「施工面積・単価・内容」を総合的に比較することが重要です。
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まとめ
屋上防水工事は、建物を守るために欠かせない重要な工事です。
防水工法や使用する材料、施工環境によって費用は大きく異なるため、適正な見積もりを見極める目が必要です。
費用だけでなく、施工内容や保証、対応の丁寧さも重視して業者を選びましょう。
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