防水材の臭いは健康に影響する?施工中の注意点を紹介
2025/10/07
防水工事を検討されている方からよく寄せられるお悩みのひとつが、「防水材の臭いは大丈夫?」「子供やペットへの健康被害が心配」という声です。実際に防水工事を経験した方の中には、想像以上の臭いの強さに驚いたという声も少なくありません。
本記事では、防水工事で発生する臭いの正体や人体への影響、施工中に気を付けたいポイント、安心して工事を進めるための事前対策まで、分かりやすく解説します。
防水材の臭いはなぜ発生するのか
防水工事で使われる材料と臭いの原因
防水工事の現場では、建物や施工箇所に応じて様々な防水材が使われています。代表的なのが、ウレタン防水・FRP防水・シート防水・アスファルト防水などです。それぞれ臭いの発生原因が異なります。
このように、防水工事の臭いの正体は「材料そのもの」ではなく、材料を構成する樹脂成分や、揮発性有機化合物(VOC)などが気化することで発生するのです。
VOCとは「Volatile Organic Compounds」の略で、常温でも空気中に蒸発しやすい性質を持つ有機化合物の総称です。建築塗料や接着剤、家具の仕上げ材など、身の回りの多くの建材に含まれている成分でもあります。
近年は、こうした臭いの負担を抑えた「低VOC・ノンVOC防水材」も各メーカーから多数登場しています。溶剤の含有量を抑える、あるいは水性タイプに置き換えることで、臭いの発生そのものを大幅に軽減できるのが特長です。低VOC防水材の詳しい特徴や選び方については、以下もあわせてご覧ください。
臭いの強さは材料・工法によって異なる
実際の現場では、材料や工法の違いによって臭いの強さ・持続時間も変わります。
特に、屋内に近い場所(バルコニーや窓際、屋上ドアの近くなど)で防水工事をする場合は、室内に臭いが流れ込むことが多くなります。窓の隙間やドアの下部など、わずかな隙間からでも臭気は室内に侵入してくるため、施工箇所と居住スペースの位置関係を事前に確認しておくことが望ましいでしょう。
工事中はどうしても一時的に臭気が発生しますが、材料の選択や換気、工事スケジュールの工夫で大幅に軽減できる場合もあります。
臭いに関する最近の傾向・工法の進化
近年では「低臭・環境配慮型」を求める声が高まり、防水材メーカー各社もこうしたニーズへの対応を進めています。技術の進歩により、以前は「防水材=臭いがきつい」というイメージが定着していましたが、近年はその常識が少しずつ変わりつつあるといえるでしょう。
ただし、現場によっては「耐久性やコストの関係から溶剤系を選ばざるを得ない」場合もあります。低臭タイプは価格がやや高めに設定されていることも多く、性能・費用・臭いのバランスをどう取るかが、材料選びの実質的な分かれ道になります。だからこそ、事前に「どんな材料・工法でやるのか」「臭いが気になる場所はないか」をきちんと業者に相談することが大切です。
防水材の臭いは健康に影響する?
吸い込んだときの主な症状とリスク
防水材に含まれる揮発性有機化合物(VOC)は、短時間でも頭痛、吐き気、めまい、咳、目や喉の刺激といった症状を引き起こすことがあります。これらの症状は、VOCが粘膜や神経系に直接作用することで生じるとされており、換気の悪い密閉空間ほど症状が出やすくなる傾向があります。
特に体が小さいお子さんや高齢者、アレルギー・喘息体質の方、ペットは影響を受けやすいため注意が必要です。体重あたりの呼吸量が大人より多い子どもや、代謝機能が低下している高齢者は、同じ濃度の臭気にさらされても、より強く影響を受けやすいと考えられています。
長期間・高濃度で吸い込んだ場合
日本の労働安全衛生法でも、作業者のシンナー中毒防止のために「防毒マスク着用」「換気の徹底」などが義務付けられています。プロの職人ですら防護具の着用が法律で定められているという事実は、防水材の臭いが単なる「不快なにおい」ではなく、健康リスクを伴う化学物質であることの裏付けともいえるでしょう。
一般家庭でも、換気の悪い場所で長く臭いを吸い続けると、シックハウス症候群など健康被害が起こる可能性があります。シックハウス症候群は、建材や塗料に含まれる化学物質を長期間吸い込み続けることで、頭痛やめまい、倦怠感といった慢性的な体調不良を引き起こす症状の総称です。
子供・高齢者・ペットがいるご家庭の注意点
施工中に気を付けたい具体策
臭いに敏感なご家庭では、工事の時間帯に外出する、施工場所から一番遠い部屋で過ごす、ペットは一時的に預けるなどの配慮をおすすめします。特にペットは人間よりも嗅覚が鋭敏で、化学物質への耐性も低いことが多いため、より慎重な対応が求められます。
また、赤ちゃんや高齢者、持病のある方がいる場合は、事前に業者に伝えましょう。
工法や材料、作業工程の調整、窓やドアの養生など、できる限り配慮してもらえます。事前に伝えておくことで、臭いの強い工程を家族が外出しているタイミングに合わせて計画してもらえることもあります。
臭いが発生しやすい工事内容・工程
臭いの強い材料とその特徴
ウレタンやFRP防水、アスファルト防水の熱工法、シート防水の接着剤塗布時などは、特に強い臭いが発生します。
通常は数時間から1日程度で臭いが薄まりますが、室内への臭気の侵入を防ぐため、施工場所の養生や十分な換気が必要です。養生とは、施工箇所以外への影響を防ぐためにシートやテープで保護・区画する作業のことで、臭い対策としても重要な役割を果たします。
防水工事中の臭い対策と現場での注意点
十分な換気・養生が基本
防水工事の間は、窓や換気扇を活用し空気の流れを確保することが重要です。
玄関や階段から臭いが入る場合は、養生シートなどで仕切りを設けてもらいましょう。
臭いが気になる場合は、工事中だけ外出する・遠くの部屋に避難するのも一つの方法です。
業者とのコミュニケーションも大切
「臭いが気になる」「子供やペットがいる」など、不安な点は必ず業者に伝えましょう。
最近は低臭・無臭の材料や水性タイプを指定することもできるため、見積もり時や打ち合わせでご相談ください。工事が始まってからの変更は難しいこともあるため、材料の希望がある場合は契約前の段階で伝えておくことが望ましいでしょう。
低臭・無臭タイプの防水材や工法も選択肢
環境配慮型材料の普及と選び方
「材料そのものの臭いを抑えたい」という場合、水性・ノンVOCタイプの防水材を指定する以外にも、工法そのものを見直すという選択肢があります。
たとえば、シート防水や、熱を使わないアスファルトシート防水は、化学反応や加熱による臭気の発生源そのものが少ないため、比較的臭いが抑えられる工法です。こうした工法は、施工の自由度や仕上がりのバリエーションにおいて溶剤系と異なる特性を持つこともあるため、臭いの少なさだけでなく、仕上がりの希望もあわせて業者に相談するとよいでしょう。
まとめ
防水工事の臭いは材料や工程によって発生しやすくなりますが、十分な換気・養生、低臭材料の選択、そして事前の業者への相談で大部分はカバーできます。
不安なことは抱え込まずに、専門業者や【水防人】の無料相談サービスも積極的にご活用ください。
快適で安心な防水工事を進めて、住まいを守りましょう。
よくある質問・Q&A
Q. 防水材の臭いはどれくらい残る?
A. 通常は1日〜数日で消えますが、換気や室内の広さによって差があります。気になる場合は業者へ相談を。
Q. 子供やペットへの健康被害が心配です。
A. 施工中は極力離れた部屋や外出で対応し、どうしても気になる場合は材料・工程の変更も相談可能です。
Q. 臭いが残る場合や体調不良時は?
A. すぐに換気をし、必要があれば医師の診断を受けましょう。異常があれば工事も一時中断を。


































