商業施設の屋上防水に使われる主な工法と選び方 | 水防人

防水工事の基礎知識

商業施設の屋上防水に使われる主な工法と選び方

2026/02/04

商業施設の屋上防水は、一般住宅とは違い、慎重な判断が求められる工事です。

人の出入りが多く、設備機器も集中し、さらに営業を止められないケースがほとんどだからです。

「どの防水工法を選べば長持ちするのか」「工事中に営業へ影響は出ないのか」。

こうした悩みを抱えたまま、防水工事の時期を先延ばしにしている施設管理者の方も少なくありません。

この記事では、商業施設の屋上で実際によく使われている防水工法の特徴と、

施設の規模や用途に応じた失敗しない選び方を、分かりやすく解説していきます。

商業施設の屋上防水が重要な理由|住宅とは違うリスクとは?

商業施設の屋上で雨漏りが発生すると、被害は建物内部だけにとどまりません。

テナントの商品や内装への被害、営業停止による損失、クレーム対応など、影響は多方面に及びます。

また、屋上には空調設備や配管、ダクトなどが集中しており、防水層には常に負荷がかかっています。

そのため、住宅と同じ感覚で工法を選んでしまうと、耐久性や管理面で後悔するケースも多いのです。

商業施設屋上に特有の劣化・トラブルの特徴

広い屋上面積と排水不良のリスク

商業施設の屋上は、一般住宅と比べて面積が大きく、雨が降ると水が一部にたまりやすいという特徴があります。

特に排水口やドレン周辺では、落ち葉やゴミの蓄積によって排水機能が低下しやすく、ちょっとした詰まりが大雨時の大きな水たまりや浸水被害につながるのです。

設備まわり・立ち上がり部の弱点化

屋上には空調や給排水、配管などの大型設備が多数設置されていることが多く、その設備の根元や接合部、立ち上がり部分が防水層の切れ目や弱点になりやすい傾向があります。

このような部分からの浸水事故は、商業施設でとても多く報告されています。

紫外線・温度変化による防水層の劣化

屋上床面は年中強い日差しや温度変化、雨風にさらされているため、防水層自体の劣化も早く進みます。

表面のひび割れや色あせ、膨れや剥がれが起こりやすく、最初は小さな不具合でも放置すると雨水の侵入を許し、下地や建物構造部へと被害が広がってしまうのです。

改修工事・テナント入替時の隠れた弱点

商業施設ではテナント入れ替えや屋上の増設工事が頻繁に行われます。

その際に「一部だけ新しい防水層に交換」「既存防水との取り合い処理の不備」などがあると、目に見えない部分に雨漏りのリスクが残ってしまいます。

こうした施工のつなぎ目や部分補修忘れが、長雨やゲリラ豪雨時の予期せぬトラブルの元になることがあるのです。

複合的な要因によるトラブルの複雑化

防水層の初期不良や経年劣化だけでなく、排水経路の詰まり、設備まわりの施工ミス、部分補修の見落としなど、さまざまな要因が複雑に絡み合ってトラブルになるのが、商業施設の屋上防水の最大の難しさと言えるでしょう。

結果として、思わぬ場所から雨漏りが発生したり、天井裏でカビや腐食が進行するなど、被害が大きくなる傾向があります。

商業施設の屋上防水に使われる主な工法とは?

商業施設の屋上防水には、いくつかの代表的な工法があります。

それぞれ特徴が異なるため、施設の条件に合ったものを選ぶことが重要です。

ここからは、実際に多く採用されている工法を順に見ていきましょう。

ウレタン防水|対応力が高く改修工事で選ばれやすい

ウレタン防水は、液体状のウレタン樹脂を塗り重ねて防水層を形成する工法です。

継ぎ目のない一体層をつくれるため、複雑な形状の屋上にも対応しやすいのが特徴です。

商業施設では、空調設備や配管が多く、形状が入り組んでいるケースが少なくありません。

そうした条件でも施工しやすく、部分補修が可能な点が評価されています。

一方で、施工品質によって耐久性に差が出やすいという側面もあります。

信頼できる業者選びが、長持ちさせるための重要なポイントになる工法です。

シート防水|広い屋上を効率よく施工したい場合に

シート防水は、塩化ビニルシートやゴムシートを貼り付けて防水層をつくる工法です。

工場で製造された製品を使用するため、品質が安定しているのが大きな特徴です。

広い屋上を短期間で施工できるため、大型の商業施設やビルで多く採用されています。

歩行用仕様や高耐候タイプの製品もあり、管理しやすい点もメリットと言えるでしょう。

ただし、下地の状態によっては施工が難しい場合もあるため、事前の調査と適切な工法選定が欠かせません。

アスファルト防水|耐久性重視の大型施設向け

アスファルト防水は、複数の層を重ねて施工する、非常に耐久性の高い工法です。

古くから大型建築物で採用されてきた実績があり、信頼性の高さが特徴です。

百貨店や大型ショッピングモールなど、長期間の使用を前提とした建物では、今も選ばれるケースがあります。

一方で、工期やコストがかかりやすく、工事中の臭いや作業音への配慮も必要となります。

FRP防水|限定的な用途で力を発揮する工法

FRP防水は、ガラス繊維を含んだ樹脂で硬く丈夫な防水層を形成する工法です。

耐摩耗性に優れ、歩行頻度の高い場所に向いています。

ただし、広い屋上や下地の動きが大きい場所では不向きな場合もあります。

商業施設では、屋上の一部区画や限定エリアで採用されることが多い工法です。

商業施設の屋上防水|失敗しない工法の選び方

営業を止めずにできる工法かを重視する

商業施設の場合、日中も多くの人が利用し、テナント営業や施設運営に支障を出せないケースが大半です。そのため、「屋上全面の立ち入り禁止」や「大きな騒音・臭気が発生する工事」は敬遠されがちです。

防水工法には「臭いの少ないウレタン塗膜防水」や「短工期で終わるシート防水」など、施設の営業を止めずに済むものも多く存在します。工法選びの際は、工事中の利用制限・安全対策・臭気や騒音の影響をどれだけ抑えられるかも、重要な比較ポイントです。

面積・形状・構造に合わせて最適な工法を選ぶ

広大な屋上や複雑な形状、設備が多い場所では、ウレタン防水やシート防水、アスファルト防水など、用途やメンテナンス性・耐久性の違いをしっかり比較することが大切です。

たとえば、広い平面でメンテナンス頻度を下げたい場合はシート防水が有利ですが、配管や段差が多い場合はウレタン防水の方が適している場合も。屋上の特性や利用状況、予算、将来の改修も見据えて総合的に判断する必要があります。

メンテナンス計画まで含めて検討する

防水層は「施工して終わり」ではありません。商業施設では数年ごとにトップコートの塗り替えや定期点検が必要です。

メンテナンスのしやすさ、補修工事時の営業影響の小ささ、保証期間やメンテナンス費用もふまえて「トータルコスト」で考えることが、長く安心して使い続けるポイントになります。

今だでなくこれから先を見据える

「初期費用だけ安い工法」や「短納期だけを重視した選択」だと、数年後に大規模なやり直しや営業への悪影響が出ることも珍しくありません。

防水工事は、次の補修や将来のテナント入替・増改築のしやすさまで視野に入れ、将来的なリスクやライフサイクルコストまで含めて判断することが大切なのです。

業者選びで必ず確認したいポイント

施工実績と管理体制を重視する

商業施設の防水工事は、住宅や小規模ビルとは比べものにならない規模や安全管理、工程管理が求められます。

過去に同規模・同種の施設での実績がある業者を選ぶことで、営業影響の最小化や工期短縮、安全管理の徹底など、現場ごとの難しさに柔軟に対応してもらえます。

見積もり内容と工事計画の透明性

工法・材料・工程・安全対策・メンテナンス方法まで、見積もりが明確で分かりやすいかも重要です。「防水一式」「諸経費込み」などのざっくりした記載は避け、何がどこまで含まれているかを細かく確認しましょう。

また、工事中の連絡・調整体制や、営業・来館者への配慮計画の有無も、事前に説明を求めるべきポイントです。

保証・アフターサービスの充実度

商業施設では工事後のアフターメンテナンス・長期保証・緊急対応体制も欠かせません。

保証期間や対象範囲、定期点検や突発的なトラブル時の対応力をしっかり確認し、書面で保証内容を残してもらいましょう。

安心できる提案力・相談体制

テナント営業や施設利用者への影響を抑える工事計画や、将来の改修・リニューアルまで見越した長期的な提案ができる業者は、信頼性が高いと言えるでしょう。

不安な点は契約前にしっかり質問し、「分かりやすく説明し、現場ごとにベストな提案をしてくれるか」も判断基準にしてください。

まとめ

商業施設の屋上防水は、単なる「防水層の施工」だけでなく、営業への影響、安全管理、今後のメンテナンスや施設運営までを見据えた、総合的な計画と技術力が必要となります。

広い面積・複雑な設備構成・利用者の多さといった特徴から、工法選びには「工事中の営業支障」「耐久性」「将来の維持管理費」など多角的な視点が求められるのです。

そのためには、過去の施工実績が豊富で、説明や見積もりが分かりやすく、保証・アフターサービス体制もしっかりした業者選びが何より大切です。

小さな不具合や見落としが後々大きなトラブルになるケースも少なくありません。

「今」だけでなく、「これから先」の施設運営と安心のために、信頼できる専門業者や【水防人】の無料相談サービスをぜひご活用ください。

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