屋上防水工事をおこなうベストなタイミングとは? | 水防人

防水工事の基礎知識

屋上防水工事をおこなうベストなタイミングとは?

2025/04/17

ウレタン防水工事

「屋上防水工事」と聞くと、大掛かりで費用もかさむイメージがありますが、建物の安全と資産価値を保つためには重要な工事です。特に防水層の劣化が進むと、建物内部まで雨水が侵入し、予想外の損害を引き起こすこともあります。

この記事では、屋上防水工事の必要性と最適なタイミングについてくわしくご紹介します。屋上防水工事が必要な劣化のサインや、屋上防水工事を遅らせることで起こり得るリスクについて触れていきますので、ぜひ参考にしてください。

屋上防水工事の必要性

屋上は建物の「最前線」として、雨や風から守る重要な役割を果たしています。しかし、屋上が最も厳しい環境にさらされる分、防水機能が低下すると雨水が侵入しやすくなり、建物内部へ深刻なダメージを与えてしまいます。

特に、コンクリート内部に水が入り込むと鉄筋が腐食し、建物全体の耐久性が損なわれる原因にもなります。資産価値を守り、雨漏りを未然に防ぐためにも、適切なタイミングで屋上防水工事を行うことが欠かせません。

屋上防水工事を行うタイミング

屋上防水工事を行う最適なタイミングは、建物の大規模修繕工事と合わせて実施するのが一般的です。

大規模修繕では、建物全体に足場を組み外壁やバルコニーの塗装をはじめ、防水工事などをまとめて行うため、足場の設置費用を抑えられるメリットがあります。

また、国土交通省のガイドラインでは、屋上防水や外壁塗装の目安を「12年から15年」としているため、これを目安に計画するのが推奨されています。

とはいえ、屋上の劣化状況によっては、修繕時期を早める判断も必要です。

屋上防水工事が必要な劣化のサイン

建物の屋上は日々の紫外線や雨風にさらされ、徐々に劣化が進んでいきます。そのまま劣化が進むと防水機能が低下し、雨水が浸透して建物内部へのダメージを引き起こす恐れがあるため、早期発見と修繕が重要です。

前述したように、マンションなどの屋上防水工事は一般的に大規模修繕の際に行われることが多く、12年から15年の周期といわれています。しかし、修繕周期の間にも状態が悪化するケースも少なくありません。

ここからは、防水機能の低下が疑われる典型的なサインをご紹介します。これらのサインが見られたら、修繕周期を問わず屋上防水工事を検討するタイミングと考えて良いでしょう。

ひび割れ

地震や強い日差し、雨風の影響によって屋上の防水層に「ひび割れ」が発生することがあります。

ひび割れ部分からは雨水が侵入しやすく、防水層の下にまで浸透すると鉄筋の腐食や建物の構造の劣化に繋がるため、放置は厳禁です。ひび割れが見つかったら早めに修繕を検討しましょう。

防水シートのジョイント口開き

防水シートの接合部であるジョイント口が開いている場合、接着力が低下し隙間から雨水が侵入する恐れがあるため注意が必要です。

シートの端やつなぎ目は特に劣化しやすく、裏面が剥がれることで雨水が直接防水層へ達してしまい、内部まで浸透するリスクが生まれます。

ジョイント口の開きは防水工事が必要な重要なサインです。

屋上に水たまりができる

雨が降った後、屋上に「水たまり」ができて長時間残る場合は、排水が不十分である可能性が高くなります。

水たまりができる原因には、排水溝の詰まり屋勾配の不良などが考えられ、この状態が続くと防水層が傷むためひび割れや膨れの原因となります。

水たまりを見かけたら、排水機能の改善を含めた点検が必要です。

雑草が生えている

屋上の「雑草」は防水機能の低下を示すサインの一つです。

風や鳥が運んでくる種が根を張り、防水層を突き破って成長することがあります。雑草の根が防水層を突き破るとそこから雨水が侵入し、建物内部にダメージを考える原因となるため、早急に除去するとともに防水工事を検討することをおすすめします。

防水層が膨らんでいる

防水層の下に侵入した水分が熱で蒸発し、湿気が膨れを引き起こすことがあります。この膨れが見られる場合、内部で水分が逃げ場を失っているため、防水層が損傷しているサインです。

膨れが進行すると剥がれが起きやすくなり、さらなる雨水の侵入を招くため早めの修繕が必要です。

排水溝が詰まっている

屋上の「排水溝」が詰まっていると、雨水の排出が妨げられ水たまりや湿気の滞留が生じます。

ごみや枯れ葉の堆積が原因で排水が滞ると防水層に負担がかかり、劣化がすすむため定期的な清掃が推奨されます。特に、排水溝周辺の掃除と確認を欠かさないことが大切です。

雨漏りしている

雨漏りは、屋上防水が完全に機能を失っている状態を示すサインです。

雨水が建物内部にまで達し、鉄筋や構造にまで影響を及ぼすと修繕には大規模な工事が必要となるケースが多く見られます。特に、開花で雨漏りが確認された場合にはすぐに点検と必要に応じた修繕を行い、建物の劣化を食い止める必要があります。

これらのサインは、建物の状態をチェックする重要な目安となります。少しでも異常が感じられた場合には、専門業者による点検や防水工事の検討が建物寿命を延ばし安全性を保つための最善策です。

天候や季節に応じたベストな時期

防水工事を行う際には、施工時期と季節の選定も重要なポイントの一つです。

屋上防水工事は気候や温度、湿度の影響を受けやすいため、施工環境を新調に選ぶことで、工事の品質や耐久性を高めることができます。

ここからは、ベストシーズンと避けた方が良い時期について、ご紹介していきます。

ベストシーズンは春と秋

防水工事に最適な時期として多くの専門家が推奨するのが、春と秋です。これらの季節は天候が安定しており、湿度や気温が防水材料の性能を最大限に引き出すため、施工の条件が良好だからです。

主な特徴として以下が挙げられます。

【乾燥しやすい環境】
春と秋は気温が15℃以上で湿度も安定しているため、ほとんどの防水材料が適切に硬化・乾燥します。特にウレタンやアスファルト系の防水材は、適度な湿度で仕上がりも美しくなります。

【作業効率の向上】
乾燥が早く、連日晴天が続く傾向にあるため、工期も短縮されやすくなります。また、梅雨や台風のリスクを避けることができるため、トラブルが少なくスムーズな進行が期待できます。

夏の防水工事のメリット・デメリット

夏場に工事を行う場合もありますが、高温多湿のため条件が厳しくなります。施工箇所や材料によっては、デメリットが大きくなることもあるため注意が必要です。

【メリット】
塩ビやFRPなどのシート防水は、夏の高温により伸縮性が増し密着性が高まるため、夏場の施工で効率が上がる場合もあります。

【デメリット】
ウレタンやアスファルト系の塗装型防水は乾燥しにくく、剥離のリスクが高まります。また、夏特有の台風や豪雨により作業が中断されたり延期が必要になることも多く、進行に遅れが生じやすいです。

冬の防水工事のメリット・デメリット

冬の低温の影響で施工が困難になる場合があり、特に寒冷地では慎重な判断が必要です。

【メリット】
近年では低温化で硬化するタイプの塗料も登場しており、選択肢だいで一定の条件下では施工が可能になります。

【デメリット】
冬場の施工は、乾燥不良やひび割れが生じやすいため、耐久性が低下するリスクがあります。また、シート防水では温度が低いとシートが縮んでしまい接着力が弱まるため、仕上がりに問題が出やすいです。

屋上防水工事を遅らせると起こるリスク

防水工事の劣化を放置すると、建物全体に深刻な影響を及ぼす可能性があります。特に劣化が進行することで、補修の手間や費用が増えるばかりか建物の耐久性も大きく損なわれます。

ここからは、定期的なメンテナンスを怠った場合に生じる具体的なリスクについてご紹介します。

防水部分が剥がれる

防水工事を先延ばしにすると、屋上のトップコートや防水シートが劣化し、剥がれが生じます。特に、防水シートや防水層が剥がれた場合、単なる再塗装では対応できず、全面的な再工事が必要となることが多いため、早めの対処が不可欠です。

ひび割れが発生

劣化の放置により、屋上表面にひび割れが見られるようになります。

ひび割れが表面の身なら修復は比較的容易ですが、防水層まで及ぶと雨漏りの原因となります。劣化の進行を抑えるため、ひび割れを早期に確認・修繕することが求められます。

水はけが悪くなる

劣化した防水層は水はけが悪くなりやすく、屋上に水たまりができやすくなります。水が長時間溜まると、防水シートや下地材の劣化が進行し、修復範囲が拡大します。

適切な排水性を維持するためにも、定期的なメンテナンスが重要です。

雨漏りが起こる

劣化を放置した状態が続くと、最終的には雨漏りのリスクが高まります。

雨漏りが起こると、室内へ水が侵入し、木材部分の腐食やカビの発生といった二次被害が発生する可能性もあります。さらに、雨水が電気配線や家電に触れると漏電や火災の危険性も高まり、建物の安全性にも影響を及ぼします。

防水工事を定期的に行い、こうしたリスクを未然に防ぐことが建物を長く守るためには重要です。

屋上防水工事を業者に依頼する際のポイント

point

屋上防水工事を業者に依頼する際には、信頼性やサービス内容の違いを見極めることが大切です。以下の6つのポイントを確認し、最適な業者を選ぶための参考にしてください。

相見積もりをする

複数の業者から見積もりを取り、工事内容や費用を比較しましょう。相見積もりを行うことで、適正価格を知るとともに、不明瞭な項目が含まれていないかチェックすることができます。

施工実績の豊富か

業者が過去にどれだけ防水工事を手掛けているかを確認することも重要です。施工実績が豊富であれば、似たような工事に慣れているため工事の失敗や不備が起きにくくなります。

自社施工しているか

自社で施工を行っている業者であれば、費用面での中間マージンがなくコストを抑えられるだけでなく、施工品質の一貫性が保たれやすくなります。また、トラブル発生時も迅速な対応が期待できます。

担当者の対応が丁寧か

工事内容の説明や相談に親身に応じてくれる担当者であれば、依頼主の要望をしっかり反映した工事が可能です。丁寧な対応をしてくれる業者を選ぶことで、安心して工事を任せられます。

資格保有者が在籍しているか

「防水施工技能士」のような資格を持つ職人がいる業者であれば、技術力や知識が確かなため、工事品質が期待できます。特に専門資格を持つ職人が在籍している業者を選びましょう。

アフターサービスを実施しているか

工事後のアフターサービスが充実しているかを確認することも大切です。特に、瑕疵保険に加入している業者であれば、万が一の施工不良にも対応可能なため、安心して工事を依頼できます。

まとめ

防水工事を定期的に行うことは、建物を長く維持するために欠かせません。劣化のサインを見逃さず、ベストな時期に施工することで建物のダメージを防ぎ、雨漏りなどの深刻なトラブルも回避できます。

施工実績の豊富な業者に依頼し、計画的なメンテナンスを行うことが重要です。

水防人では、全国47都道府県の防水職人スペシャリストを紹介しています。防水工事についてお悩みの方や、屋上防水工事を検討されている方は、ぜひ水防人へご相談ください。

防水工事業者を探す

新着防水工事コラム

  • 屋上防水の費用はいくらかかる?失敗しないための見積もりポイントとは

  • ベランダ防水工事はDIYできる?手順やメリット・デメリットを解説

  • シート防水とはどんな工事?特徴やメリット・デメリットを解説

  • ウレタン防水工事

    屋上防水工事をおこなうベストなタイミングとは?

  • 屋上防水工事4つの種類と費用、長持ちさせる点検の秘訣

  • 防水トップコートの種類と最適な塗り替え時期を徹底解説!

  • 屋上防水の寿命は10年!工事タイプ別の費用と注意すべきポイント

  • FRP防水とはどんな工事?特徴やメリット・デメリットを解説

最新施工実績

  • 春日井市高座台にて防水工事〈屋上・バルコニーの密着ウレタン防水〉 施工後

    春日井市高座台にて防水工事〈屋上・バルコニーの密着ウレタン防水〉

  • 神奈川県川崎市にて築20年アパートシーリング工事 施工後

    神奈川県川崎市にて築20年アパートシーリング工事

  • 愛知県春日井市にて雨漏りしている屋上に防水工事〈ウレタン通気緩衝工法〉 施工後

    愛知県春日井市にて雨漏りしている屋上に防水工事〈ウレタン通気緩衝工法〉

  • 愛知県春日井市にてビル屋上防水工事(塩ビシート機械的固定工法) 施工後

    愛知県春日井市にてビル屋上防水工事(塩ビシート機械的固定工法)

  • 東京都渋谷区にてマンション外階段の防水工事 施工後

    東京都渋谷区にてマンション外階段の防水工事

  • 川崎市幸区にてルーフバルコニーウレタン防水塗装(雨漏り修理) 施工後

    川崎市幸区にてルーフバルコニーウレタン防水塗装(雨漏り修理)

  • 東京都足立区にて倉庫の防水工事アフター

    東京都足立区にて倉庫の屋上防水工事


TOP

LINEでかんたん
問い合わせ&職人案内