屋上防水の寿命は10年!工事タイプ別の費用と注意すべきポイント | 水防人

防水工事の基礎知識

屋上防水の寿命は10年!工事タイプ別の費用と注意すべきポイント

2024/11/06

ご自宅や小有されている建物の屋上防水をチェックしたことはございますか?普段見えない場所ですが、知らないうちにダメージが進んでいることがあります。早めに見つけて対処すると、後々の大きな問題や高額な修理費用を避けられます。少しでも変だなと思ったら、専門家に相談してみるのがおすすめです。

この記事では、屋上防水工事のタイミングや、いろいろな工事方法、そしてだいたいの費用について分かりやすく説明します。屋上防水が気になる方や、雨漏りなどの問題に直面している方に役立つ情報をお届けします。

屋上防水はいつ直すの?

屋上防水の修理や更新は、主に「はっきりとした傷みが見つかったとき」か「使用推奨期間が過ぎたとき」に考えます。それぞれの場合について、詳しく見ていきましょう。

傷みが見つかったら

屋上の防水層にひび割れ、膨らみ、はがれなどが見つかったら、防水工事を考える時期です。屋上に植物が生えているのも要注意。植物の根っこが防水層を壊す可能性があるんです。これらの問題を放っておくと、防水性能が落ちて、最終的に雨漏りなどの事故につながるかもしれません。

屋上防水の傷みを早める原因の一つに、水たまりがあります。主に落ち葉やゴミで排水口が詰まったり、傾斜が足りなくて水はけが悪かったりするのが原因です。マンションの場合、多くは管理会社が定期的に点検してくれますが、本当に点検されているか確認してみるのもいいでしょう。

使用推奨期間を過ぎたら

目立った傷みがなくても、使用推奨期間を過ぎたら防水工事を考えた方がいいです。一般的に、屋上防水は約10年もつと言われています。

ただし、後で説明しますが、防水工事の種類や方法によって、もつ期間に多少の違いがあります。普通は、設置から10年たったら、屋上防水の状態に注意を払い、更新工事の計画を立て始めるのがおすすめです。

屋上防水工事の種類と費用相場

マンションの屋上防水工事のおもな種類は大きく分けて4つあります。種類ごとの耐用年数と費用相場について、下記表をご覧ください。

種類 耐用年数 費用相場(1㎡当たり)
FRP防水 10~12年 6,500~10,000円
ウレタン防水 10~12年 6,500~12,000円
シート防水 10~15年 8,000~15,000円
アスファルト防水 15~25年 11,000~22,000円

屋上防水工事は、耐用年数が長い工事ほど費用相場が高くなる傾向があります。それぞれの特徴について以下で詳しくみていきましょう。

FRP防水

FRPは「繊維強化プラスチック」のことです。軽くて丈夫で、水を通しにくいのが特徴です。塗るタイプなので、複雑な形の屋上でも使えます。塗料が早く乾くので、工事期間も短くて済みます。

ただし、FRP防水には伸び縮みしにくいという弱点があります。建物が揺れるとひびが入りやすいので注意が必要です。それでも、お手頃な価格で高い防水性能が得られるので、高いビルでもよく使われています。

ウレタン防水

ウレタン防水は、液体のウレタン樹脂を塗って防水層を作ります。屋上防水工事でよく使われる方法ですが、乾くのに時間がかかるので、人がよく出入りする場所には向いていません。施工方法は2種類あります。

  • 密着工法:下地、ウレタン防水材、補強材を順番に塗ります
  • 絶縁工法:通気緩衝シートの上にウレタン防水材を塗ります

密着工法は、シートを使わないので狭い場所でも使えます。継ぎ目がないのも特徴です。絶縁工法は屋上のひび割れにも対応できて見た目もきれいですが、少し高めです。

シート防水

シート防水は、ビニールやゴムのシートで防水層を作ります。広い範囲に同じ厚さで施工でき、作業する人の腕前にあまり左右されません。

この方法の良いところは、古い防水層を取り除かなくても施工できて工事期間が短いこと、そして臭いが出ないことです。ただし、形が複雑な屋上には向いていません。シート防水には次の2つのやり方があります。

  • 接着工法:下地に接着剤を塗って、その上に防水シートを貼ります
  • 機械的固定工法:下地に部分的にクッション材を置いて、その上に防水シートを固定します

機械的固定工法では、下地とシートの間に隙間ができるので、下地の影響を受けにくく、少し水漏れがあっても施工できます。

アスファルト防水

アスファルト防水は、昔から使われている屋上防水の方法です。アスファルトを染み込ませたシートとアスファルトを交互に重ねて防水層を作ります。他の方法より長持ちしますが、最初にかかるお金は多めです。でも、長い目で見ると工事の回数を減らせるので、お得かもしれません。

アスファルト防水には3つのやり方があります。

  • 熱工法:アスファルトを熱で溶かして、シートと交互に重ねます
  • トーチ工法:専用のシートとアスファルトを重ねて、バーナーで熱して貼り付けます
  • 常温工法:熱を使わず、くっつきやすいシートを重ねます

熱工法とトーチ工法は、工事中に煙や強い臭いが出るので、住んでいる人から苦情が出やすいです。特に熱工法は、アスファルトを直接熱するので、より注意が必要です。

屋上防水工事をお得に済ませるコツ

屋上防水工事は大切ですが、賢く計画すれば費用を抑えられます。ここでは、お金を節約するための5つの方法をご紹介します。

・複数の業者から見積もりをもらう
・他の修理と一緒にやってもらう
・本当に必要な部分だけ直す
・工事が安くなる時期を狙う
・早めに点検して、小さな問題のうちに対処する

それでは、それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。

1. 複数の業者から見積もりをもらう

いくつかの業者さんから見積もりをもらって比べてみましょう。同じ工事内容でも、業者さんによって値段が違うことがあります。管理会社が紹介してくれる業者さん以外にも、自分で探した業者さんにも相談してみるといいでしょう。自分で積極的に業者さんを選ぶことで、より良い選択ができます。

2. 他の修理と一緒にやってもらう

屋上の防水工事をするときに、ベランダの防水など他の修理も一緒にやってもらうと、全体的に安くなることがあります。一度の工事で複数の問題を解決できるので、時間も労力も節約できます。ただし、本当に必要な工事かどうかをよく考えて、不要な作業はやらないようにしましょう。

3. 本当に必要な部分だけ直す

予算が限られていたり、急いで直さないといけない場合は、必要最小限の範囲だけ工事するのも一つの方法です。例えば、全部を直すのではなく、表面だけ塗り直したり、傷んでいる部分だけを直したりすることで、短期的には費用を抑えられます。ただし、傷み具合によっては難しい場合もあるので、専門家に相談して、適切な工事範囲を決めましょう。次にいつ大きな工事が必要になるかも考えておくといいですね。

4. 工事が安くなる時期を狙う

工事の依頼が少ない時期を選んで頼むと、より良い条件で交渉できるかもしれません。屋上防水工事の場合、2月から4月が比較的空いている時期だそうです。この時期に合わせて工事を計画するには、日頃から点検をして、長期的な修理計画を立てておくことが大切です。

5. 早めの点検と対応を心がける

屋上防水の傷みが進むほど、工事の規模も費用も大きくなります。特に、雨漏りなどの大きな問題が起きると、修理にかかる費用がぐっと増えてしまいます。だから、定期的に点検して、早めに対応することが、長い目で見ると費用を抑えることにつながります。問題が大きくなる前に適切な対策を取ることが、一番のコスト削減方法と言えるでしょう。

自分で屋上防水をするのはかなり難しい

屋上防水を自分で行うのは、実はとてもハードルが高いです。広範囲を扱うため、経験不足の場合うまくいかない可能性が高いのです。

屋上は年中、雨や強い日差しにさらされるので、しっかりとした防水処理が欠かせません。建物に劣化がある場合は、さらに難易度が上がります。そのため、安心で確実な工事を得るにはプロの専門家に依頼するのが賢明です。

屋上防水工事の注意点

屋上防水工事を計画中の方、必見です!思わぬトラブルを避けるために、ぜひ押さえておきたい4つのポイントをご紹介します。

・周辺環境への配慮
・予期せぬ追加作業の可能性
・天候による工程変更
・保証内容の確認

それでは、各ポイントについて詳しく見ていきましょう。

1. 周辺環境への配慮

屋上防水工事では、強い臭いや大きな音が発生することがあります。これは近隣の方々にとって、思わぬストレスの原因になるかもしれません。例えば、ウレタン系の材料を使用すると化学臭が、アスファルト系だと焦げ臭さが生じることも。

また、古い防水層の除去作業では、騒音レベルが上がることも。工事計画を立てる際は、これらの環境影響について施工業者としっかり話し合い、周辺への配慮を忘れずに。近隣の方々への事前説明も、トラブル防止の鍵となります。

2. 予算管理

工事開始後に追加作業が必要になるケース、実は少なくありません。多くの場合、事前の現場調査が不十分だったことが原因です。予想以上に劣化が進行していた場合、当初の計画では不十分と判断され、追加作業が提案されることも。結果として、予算が膨らむ可能性があります。

また、施工業者が善意で追加作業を提案することもあります。そんな提案を受けた際は、即座に承諾せず、追加費用の有無や同時施工のメリットを慎重に検討してから判断しましょう。予備費を設けておくのも、賢明な選択かもしれません。

3. スケジュール管理

屋上防水工事は、天候に大きく左右されます。雨天時には、下地の補修や塗料の適切な乾燥が困難になり、湿気により防水層の品質が低下するリスクも。そのため、雨天時の作業は避けるべきです。

工事の計画段階では天気予報を参考にしますが、予期せぬ悪天候が続くこともあります。無理に作業を進めると、防水性能や耐久性に悪影響を及ぼす可能性も。柔軟なスケジュール管理が必要不可欠です。余裕を持った工期設定がポイントです。

4. 保証内容の詳細確認

工事発注前に、保証内容を十分に理解することが大切です。メーカーの保証は通常、指定された施工方法を厳守した場合にのみ適用されます。コスト削減のために一部の工程を省略するなど、標準的でない方法で施工した場合、たとえ防水性能に問題がなくても、メーカー保証が適用されないリスクがあります。

保証の有無だけでなく、具体的にどのような不具合が保証対象となるのかを確認しておきましょう。また、メーカー保証以外に、施工業者独自の保証制度を設けている場合も。施工業者を選定する際は、工事内容や費用だけでなく、保証条件も比較検討することで、より満足度の高い選択ができるはずです。

以上の4つのポイントを押さえておけば、屋上防水工事をより安心して進められるはずです。専門家とよく相談しながら、最適な工事計画を立てていきましょう。

屋上防水の健全性を維持するための定期点検の重要性

屋上防水の更新時期は通常施工から約10年後ですが、損傷の兆候が見られる場合は早期対応が不可欠です。亀裂や膨らみなどの劣化症状が確認された際は、経過年数に関わらず修繕を検討すべきでしょう。

防水工事には様々な手法があり、それぞれ耐久性や適用環境、施工時の影響が異なります。最適な方法を選択するためには、複数の専門業者による詳細な現場評価を受けることをお勧めします。

定期的な点検により防水層の劣化を早期に発見することで、深刻な漏水被害を防ぎ、修繕費用の抑制にもつながります。多くの場合、管理会社が定期点検を行っていますが、管理組合も積極的に関与し、点検結果に注意を払うことが望ましいでしょう。

水防人では、全国47都道府県の防水職人スペシャリストを紹介しています。防水工事についてお悩みの方やFRP防水工事を検討されている方は、ぜひ水防人へご相談ください。

防水工事業者を探す

新着防水工事コラム

  • 屋上防水工事4つの種類と費用、長持ちさせる点検の秘訣

  • 防水トップコートの種類と最適な塗り替え時期を徹底解説!

  • 屋上防水の寿命は10年!工事タイプ別の費用と注意すべきポイント

  • FRP防水とはどんな工事?特徴やメリット・デメリットを解説

  • ウレタン防水とはどんな工事?特徴やメリット・デメリットを解説

  • アスファルト防水とはどんな工事?特徴やメリット・デメリットを解説

  • 防水工事は自分でできる?DIYで防水工事行う際の注意点やメリット、デメリット

  • マンション

    マンションの防水は何年おきに行うべき?耐用年数も解説

最新施工実績

  • 愛知県春日井市にて雨漏りしている屋上に防水工事〈ウレタン通気緩衝工法〉 施工後

    愛知県春日井市にて雨漏りしている屋上に防水工事〈ウレタン通気緩衝工法〉

  • 愛知県春日井市にてビル屋上防水工事(塩ビシート機械的固定工法) 施工後

    愛知県春日井市にてビル屋上防水工事(塩ビシート機械的固定工法)

  • 東京都渋谷区にてマンション外階段の防水工事 施工後

    東京都渋谷区にてマンション外階段の防水工事

  • 川崎市幸区にてルーフバルコニーウレタン防水塗装(雨漏り修理) 施工後

    川崎市幸区にてルーフバルコニーウレタン防水塗装(雨漏り修理)

  • 東京都足立区にて倉庫の防水工事アフター

    東京都足立区にて倉庫の屋上防水工事


TOP

LINEでかんたん
問い合わせ&職人案内